ある銀行系シンクタンクの試算では、一九八六年から九六年までの間にマンションを取得した世帯の含み損は総額で七兆七千億円にものぼり、担保割れ額は約九千三百億円にも達するとのことです。一世帯の平均含み損が一四○○万円にもなるという、まさに革命的なネガティブエクイティ問題を日本は抱えてしまったのです。これは、生活者にとっては相当厳しい打撃です。日本には、いつからか中古マンションから始めて次に一戸建て住宅に買い換えるという、暗黙の資産形成プログラムが出来上がっていたために、本質的な変化に疎い人ほどこのパターンにはまっているはずです。最近でも、住宅金融公庫が九三、九四年度にゆとり返済制度を使ってマイホームを買った約七○万人を対象に、未収防止策として返済期間を延長する等の救済措置を講じると報じられました。公的ローンでさえこの有様ですから、日本中がいかにネガティブエクイティに浸食されているかがお分かりでしょう。持ち家率が六○%にまで高まる一方で、公庫の焦げ付き債権が一万件近くに急増している現状は、異常としかいいようがありません。
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