いまの不動産不況の真相

日本の不動産市場に潜在していたその歪みが、バブルの崩壊とともに一気に顕在化したというのがいまの不動産不況の真相です。私は、これからの日本の不動産政策は、投資用資産保有と生活用資産保有をはっきりと区別して進める必要があると思っています。この両者を線引きしないまま土地政策を行った結果が現在の惨状につながっているのです。以後、本書ではいわゆる居住用の資産全般を生活用資産、収益をあげることを目的とする資産全般を投資用資産と呼ぶことにします。投資用資産保有と生活用資産保有の分離を主張すると、必ずといっていいほどこう反論する人がいます。「投資用だろうと生活用だろうと不動産にかわりはないじゃないか」と。確かに、投資用資産も生活用資産も表面的には何ら違いはありません。それどころか、ほとんどの日本人は、生活用資産による資産形成をあたかも投資用資産保有と兼用するような感覚でここまで来たといっても過言ではありません。いままでは、ただ土地さえ保有していれば自然に資産価値が上がっていくのが当たり前の時代でしたから、そのやり方も通用したかもしれません。しかし、仮に結果的にそうなったとしても、本来生活用資産を投資用資産と兼用することは好ましくありません。

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